発行:2016/1/25

DC電源で動く

V1(IC)ラジオ

真空管を手軽に使おう

序論

1973年に初ラを見てトランジスタ一石のFMラジオを作って以来、再生検波式のラジオは作った事が無い。

先のMW帯の並三ラジオを作った流れで、今度はラジオ少年時代の、0V11V1等の真空管を使った超再生受信機はどれ程の性能だったのか

気になり、簡単な短波受信機を作ってみることにした。

 

しかし真空管を使うと、どうしても高電圧の電源が必要となり、シャーシ加工に前面パネルを付けてと、セットが大掛かりになる。

半導体と同じように、もっと手軽に真空管を使えないかと考え、低圧で動jかせるセットを作ることにした。

 

再生検波の発振実験@

簡単回路として、超再生検波とし、周波数は欲張らずに7MHz近郊の短波帯とした。

まずは基本回路を作成し、球の入れ替えで、発振と感度の違いを確認した。

球は手持ちの5極管で、ヒータ電流からMT管で実験を行なった。

 

Ver1実験回路】

実験では生基板の上に真空管を立て、仮組した。

再生コイルはサランラップの紙芯に、ハトメ端子を付けた自作コイルである。

B電源は、可変低電圧電源を2台直列にして最大+35V程度を得た。

 

再生検波の発振実験@

プレート電圧を35Vにして、発振する。強度を音で確認した。

発振強度は6BA6 > 6AU6の順である。

但し、音楽を聴くには、6AU6の方が聞き易く、チュニングもし易いようである。

6AK5は、そのままの回路で差し替えても発振はするが、受信できなかった。

深く追求しなかったのだが、これは恐らく入力容量が小さい6AK5だとそのままの同調回路だと、高い周波数で発振した為と思われる。

FMラジオ受信機を作るのであれば、6AK5であろうが、今回は7MHz付近の短波ラジオをターゲットとしたので6BA6を採用して次の実験に進んだ。

 

再生検波の発振実験A

次は今回課題となる+B電源をどこまで下げられるかの実験を行なった。

プレート電圧を下げながら発振レベルと受信感度を確認したところ、大体20V16V付近が限界のようである。

12V程度でも受信出来るが発振が不安定となり+プレート電流も殆ど流れなくなった。

 

次に小型セットとして組む為、細かな実験をした。

ジャンク箱にあったSTトランスを付けて、音質、音量を確認したところ、音量に差はなく、トランスのf特性が

そのまま音として現れ、結果としてフイルターとして機能しているようで、聞き易くなる。

次に、小型化の為、空心コイルから、フェライトコアに変更したところ、Qが非常に鋭くなり、発振レベルも向上した。

コイルはT50-43(FTコア)0.3φEC線を45回巻き、タップ+8回巻いた。ANTはバリコンにすると、ANT同調が取れて感度が良くなるが

調整がクリチカルで小型ケースに入れる予定なので、固定コン(3PF)を通して接続した。

また、ヒータ電圧と、プレート電圧を1つにしたかったので、12Vヒータ管の12BA6にした。

これはトランスレス5球スーパに良く使われていた球である。

 

 

Ver2実験回路】

 

 

【実験中の様子】

 

回路ブロック図

 


【回路ブロック図】

1球で、クリスタルイヤホンで聞いても良いが、やはりスピーカでながら受信したいので、邪道ではあるが、AF]段はICに任せた。

また、出力トランスは、回路の簡略化での為、10KΩの抵抗にした。

バンドはポリバリを直接廻すので、欲張らず5.77.4MHz付近の2MHz程をセンター付きスナップSWでコイルタップを3段切り替えるようにした。

タップ位置は、巻きながら適当に出しておいて、組み込み後に、最終調整するしかない。

接続するアンテナや再生VRの位置によって、受信する周波数も変化してしまうので、余り厳密な調整は不要である。

電源:DC24V_SWタイプのACアダプタを使用していたが、多少感度は落ちるが最終的には小型アダプタの12Vで使用することにした。

その為、ツェナーダイオードとヒータ12V電源も外した。

電源はスイッチングタイプだとノイズが多いし、起動時のヒータへの過電流ダメージ防止の為に、トランス型アダプタでの使用をお勧めする。

 

最終回路

24V電源用受信回路】

 

12V電源用受信回路】

組立

ケースは100円ショップで購入した、カンペンケース(筆箱)に詰め込むことにした。

仮組みした回路をばらして真空管を寝かすようバリコン部の基板と真空管側の基板を分割して半田でつないだ。

パンペンケースは肉厚が薄くドリルでの穴あけには苦労した。

文字板は、XLSで円を作り、そこに手書きしたものを再度スキャナーした画像と照らし合わせて、XLSで作成。

カラープリンターで印刷したダイアル台紙を両面テープで貼り付け上から透明テープで補強した。

 

使用感度

再生コイルにフェライトコアを使用したお陰で、かなり高感度に仕上がった。

3m程の単線を部屋に垂らしただけでも昼間はラジオ日経、夜間はアジア近隣諸国の放送が良く聞こえる。

7MHzは夕方に掛けて、国内アマニュア無線CWに混じって聞こえるが、ドリフトが大き過ぎて、まともな復調は出来なかった。

音質は、クエンチング発振音が気になるが、音量VR手前の0.1uFX2ケ(0.2uF)の容量をもう少し増やして、高域をカットした方が聞き易くなるが、

同時に出力も低下する。

最終的にケース組み込み後は、周波数安定度性の向上と、配線の短縮化で発振出力も上昇し、バンド内どこでも、しっかり発振してくれ、国際放送も良く聞こえる。

アンテナ線が振ら付くと、受信状態が変化するので、長時間聴くのであればしっかり固定したアンテナ線と同軸(シールド線でもOK)を使用した方が良さそうである。

ただしアナログ放送終了により、TVIの心配はなさそうだが、ラジオへのBCIには、注意が必要である。

 

カンペンを開けないと、球が使われていると判らないので、一寸つまらないが、鞄に入れて出張先でも楽しめるサイズである。

長時間使用しても、ケースは多少温まる程度である。

電流は殆どヒータ電流そのもので12V時に約120A程であった。

半導体ラジオに比べれば、これでも大飯くらいだろうが、真空管使用でこの程度(約1.W)は非常に少ないと思う。

充電池を内蔵すれば、屋外でも楽しめそうである。

フェライトコアや、ツェナーダイオード、小型CR等のお陰で、昔に比べて、小型で、高性能な物に仕上げる事が出来るようになったものだと、感心した。

 

 

冬場は、カイロの代用としても活躍した。

【更新履歴】

2017/3/30:画像追加

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