発行:2015/5/28

M6959-DSPチップで作る

オールバンド・ラジオの製作

DSPラジオを体感しよう

序論

FM,TV,MW,SWのワードバンドをカバーした中華製DSP_RADIO Chip(ACK6959)とピッチ変換基板の上に

クロックやLEDなどの周辺部品を搭載したM6959\950)と云う名称で販売されているAitendoのラジオ基板を買って来た。

この基板を使ってオールバンドのポータブルラジオを製作した。

夏休みの工作に、親子で作ってみては如何ですか。

 

回路構成

 

使用部品

CPUを使ったI2C通信用チップM6955も買ってみたが、仕様書を読んでいるうちに面倒になり、内蔵AD電圧値でチューニングが出来る

こちらで組むことにした。

 

BAND切り替えは本来ならば18ch分の全てのバンド切り替えをしたいところですが、入手の簡単な12接点のロータリースイチ(SR-2613-18:\150)を使い、不要なバンドは削除した。

削ったバンドはFM2TVSW1SW12SW13LINE-INである。

 

MWラジオ用のバーアンテナも一緒に買ったが、感度が今一だったので、最終的には昔ダイソーで買った100円ラジオから外した物を使用した。

チューニングVRは多回転VRを秋月電子でj購入した。

ケースは、千石電商で特価100円のケースを使った。

TunningLEDはフロントパネルに丸LDEを取付けたので、基板の方は抵抗を外して光らないようにした。

電源は、電池でも良いが、私はスマホのリチュームイオン電池(3.7V)を内蔵しUSB充電器で5V充電して使用している。

消費電流も少なく、非常に使い勝手が良い。

 

 

回路構成

特に難しいところも無く、VRSP・バーANT・電源を付ければ、即動く。

LC同調回路も無く、調整も不要である。

NETを調べていると、似たチップのデータシートがあったので、掲載しておく→(AKC6959sx

感度UPを目論み、ANT入力部に同調を持たないRFアンプを1段付けてみた。

FM帯までは無理としても、SW帯では多少有効であろう。

 

【事前チェック】

AFアンプまで内蔵されているが、どの程度の音量が見込めるのか、判らなかったので、実際に組み込む前にまずは、バラックの状態で、簡単に受信チェックを実施。

AF_VRを付けずにFM局を聞いたところ、結構な音量でSPがビビッてしまいう程でAFアンプは不要と判断し、実際の組み立てに入りました。

FMはマルチプレックスも内蔵されており、SPを2つ付ければステレオ受信も可能ですが、このケースの大きさに収まらず、モノラルにした。

L-RSP端子は極性が反転出力となっているので、このままSP端子をLoutとRoutに繋ぐとモノラルで2Ch分として倍の出力となる。

ヘッドフォンの配線を替えて片側の+/−の極性を入れ替えれば、このままステレオで受信も可能である。

 

最終回路は以下のようになった。

※図面には無いがSP端子にステレオタイプのイヤホンJACKを取り付けた。

DSPオールバンドラジオ回路図】

 

組み立て

ロータリSWはユニバーサル基板に直付けした。

抵抗を先に取り付けてからロータリSWを基板に半田付けする。

基板にDSPユニットを取り付ける。ロータリSWの止めネジで基板も固定される。

バラック状態で動作確認する。

ケース加工に入る

(最終完成品とはツマミが逆向き)

不要なSPネットを充てて、SP穴を開ける。

穴開けが終わったフロントケース

これが最終形(TunningVRSPAFVRBANDSW

サイドにはANT端子とDCジャックを取り付ける。

LEDは外に付けたのでユニットに付いているLEDは無駄なので外した。基板コネクターはスペースの関係で直付けした。

ロータリSWの止めネジでフロントパネル側に基板も固定される。

フロント側に収まった状態

感度確認中の本機

 

使用感

DSPラジオを聴くのも、扱うのも初めてだったので、どの程度の物が出来るのか、不安であったが、出来上がりはすこぶる上出来で、非常に高感度である。

従来方式のスーパヘテロダインのラジオと比べて、高音質、高性能なラジオに仕上がり、毎晩、近隣の放送を堪能している。

7MHzSSBもモガモガではあるが一応聞こえるがSSBにはBWが一寸広すぎる。7MHzAMは、そこそこ聞こえる。

MWは、外部ANT無しでも在来局は全部OK.

5C2V同軸で作った外付けループANTを2Fベランダに吊るしたところ、昼間グランドウエーブで自宅(東京都立川市)から山梨放送・静岡放送・茨城放送が聞こえた。

音質も非常に良い。

 

チューニング方法は従来のアナログチューニングとフィーリングが随分と異なる。

ダイアルを廻すと、いきなり聞こえるので慣れるまで一寸違和感を覚えたが、慣れるとステップ動作が軽快に感じる。

特にデジタルフイルターの急伸な特性の恩恵で近傍のカブリが全く気にならない。

 

短波帯の受信で問題となるのは、やはり周波数の直読が出来ないことであろう。

AMFMは常時放送しているので、判断は容易だが多回転VRを使っているので

短波帯ではスタートポイントから、何回廻したかで、周波数を判断するしか無く待受け受信は難しい。

OSCが出ているわけでも無いので、Fカウンタも付けられない。

しかし一度合わせてしまえば、VRを廻さない限り電源を切っても殆どズレない。

1.         VUメータでチューニング電圧を表示させ目安とする。

2.         マーカ発振器を内蔵させる。

3.         周波数可変範囲を出来るだけ狭めてしまう

4.         特定周波数に固定化する。

等が考えられるが、放送内容を確認して、周波数帳で調べる昔ながらのやり方もそれなりに楽しい。

この問題を差し引いても1チップでこれほど高性能なオールバンド受信機が出来てしまうのに、往年のラジオ少年には驚きを隠せない。

USB充電器で5V充電して使用しているが、消費電流も少なく非常に使い勝手が良い。

 

 

inserted by FC2 system